サイアノメーターとは
サイアノメーターを開発したホルセス・ベネディクト・ド・ソシュール(Horace-Bénédict de Saussure)は、18世紀のスイスの科学者であり、アルプス山脈の探検家でもありました。ソシュールは、アルプス山脈での探検中に、標高が高くなると空がより青く見えることに気づきました。この観察結果は、彼にとって非常に興味深いものであり、空の青さが高度や大気の状態とどのように関連しているのかを理解したいという動機を強め、空の青さを53段階の青さで定量的に測定するための装置としてサイアノメーターを開発しました。
自身の「目」をセンサーとして活用する原始的な測定ながらも、この装置でさまざまな場所で空の青さを測定することで、標高が高いほど空が青く見えることと大気の透明度が関連している観察結果を示しました。この測定結果は、のちに、大気中の粒子や水蒸気の量が減少し、光の散乱が少なくなると空が青く見え、逆に大気中の粒子や水蒸気の量が増加すると、空が白くなる「レイリー散乱」の理論の発見へとつながり、証明されました。
このように、空中の粒子数や大きさを測ることにより、大気の状態や環境の変化を知ることができます。現在の大気計測には、エアロゾルセンサーや分光計などが使われています。 また、レイリー散乱は、大気の研究だけでなく、光学技術への発展にも寄与し、現代では粒子径分布測定装置やナノ粒子の特性評価装置など、さまざまな計測装置に応用されています。
日々の変化に気づきを「はかる」ことは、将来の科学的な発見につながります。私たちの周りには、日々たくさんの変化が起きています。気温の変化、植物の成長、星の動きなど、自然界は常に動いています。これらの変化に気づき、それを「はかる」ことが、科学の第一歩です。
「はかる」は、私たちが自然界の法則を理解し、新しい知識を得るための鍵となります。さあ、「そらよみノート」を使って、「はかる」の楽しさを発見しましょう。
HORIBAは、「はかると、わかる。わかるともっとつながる」をコンセプトに、大阪・関西 EXPO2025のシグネチャーパビリオン「いのちの未来」に協賛しています。パビリオンでは、「はかる」が織りなす命を拡がり表現した光の演出「進化の渚」や、より身近に「はかる」が存在する50年後の水質計測のARなど「はかる」の楽しさを体験できます。
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